「咲誇?」
蓮央の声で我に返って、彼を見る。
「あ、ごめん……何?」
「いや、なんかボーッとしてたから。何かあったか?」
「…ううん…………あ、海といえば、諒真さんが変な質問してきたなぁ……」
「変な質問?」
マンションで二人になったとき、聞かれたこと。
「例えばの話でね?サメがいる海で子供が溺れていたら、助けるか見捨てるかっていう質問」
「サメがいる海に、溺れている子供……?」
蓮央は少しまゆをひそめ、何かを考える仕草をした。
「サメ……溺れる……子供……助ける…………」
「蓮央……?」
ぶつぶつと呟く蓮央が心配になり、顔をのぞき込んだ。
すると蓮央はハッとした顔になり、ゆっくりと私に顔を向けた。
「咲誇……ちょっと話を聞いてもらってもいいか?」
「え……うん」
ただならぬ様子に、私は話を聞くことにした。


