力が強い歩に引っ張られ、少し離れた暗い路地裏に連れ込まれた。
闇の中に、私と同じようにキャップをかぶった背の高い人影が見える。
「連れてきたぞ、蓮央」
圭太の声に、奥にいる人物が顔をあげた。
蓮央だ……。
「よう黒薔薇。お前に用がある」
いつもとは違う低い声で、私に話しかける。
黒薔薇が私だってことは、バレていないみたい。
良かった……。
ホッとしつつも、黒薔薇の態度で返す。
「私はない。帰らせてもらう」
そう言って回れ右をすると、立っているのは大柄な諒真さん。
大抵の女が惚れてしまうような笑みを浮かべて、私を通らせまいと通路を塞ぐ。
「お前、最近また動き始めたらしいな。どうして一時期休んでいた?」
「……そんなの、私の勝手だ」
まさか、「あんたのところにお世話になってたからです」なんて言えない。
「聞きたいことがそれだけなら、もう行く」
無理やり諒真さんの横を通ろうとすると。


