「あれ?さっきーじゃん!!」



管理人室には、諒真さんがいるから。


正確には息子だけど、家に帰るのが面倒くさい時はここに寝泊まりしてるってこの前言っていた。



「さっきーさっきーどうしたの?」


「だからそのあだ名…………やっぱ何でもない」


「え?さきりんちょがいい?」


「もうどうでもいいよ……。
ところで相談なんだけど、このマンションにレンタルの自転車ってない?」



諒真さんはうーんと少し考えてから、ポンと手をうった。



「そういや、一台だけ貸し出し用があるって聞いたな。貸すか?」


「うん、お願い」


「じゃあ外行くか!」