突然声をかけられ、坊主の男を見てきょとんとしてしまう。
彼の手にはビールの缶が。
「あ、グラス持ってませんね。自分、取ってくるッス!!」
「あ、ちょ……」
呼び止めるのも聞かず、坊主くんはどこかに走り去っていった。
何なんだ? と思っていると、ふいに肩を叩かれた。
「よぉ咲誇。楽しくやってるか?」
そこには、少し頬を赤くした副総長の圭太が立っている。
開始五分でもう酔うのか……。
「んー、まぁ……それなりに」
「何だよ、微妙な反応するなよ〜。さっきの男、お前に酌したがってたじゃねぇか」
「酌?」
そういえば……「おつぎしましょうか?」って言われた気もする…………。
圭太が目を細めながら、手に持ったグラスを傾けた。
「仁っていうんだ、あいつ。可愛がってやれよ。去年姉貴を亡くして、すげぇ落ちてたんだけど……なんか元気出たみたいだしな」
「そう…なんだ……」
亡くしたという言葉に、胸がズキンと痛んだ。


