2階から下を見下ろせる所につくと、そこにはたくさんの人が居た。
2階に立つ私たちを見て、わいわい騒ぐ男たち。
それを静めるように、南蓮央が声を張り上げた。
「お前らぁっ、よぉーく聞けっ!!!!」
途端にシンとなる男たち。
「知っている奴もいると思うが、【睡蓮】に新しい仲間が加わった!!」
「咲誇ちゃん、前に出て、自己紹介」
真浩に背中を押されて、南蓮央の隣に立つ。
マイクいるか? と圭太に聞かれたけど、私は首を横に振った。
「思うことを、好きなように言え」
南蓮央が耳打ちしてくる。
思うことを、好きなように……。
じゃあ、私がするべきことは…
一歩前に出て、みんなを見回してから、口を開いた。
「……本田咲誇、17歳。
私は……【桜蘭】の元姫です。南蓮央に拾われてここに来ました。敵対しているチームから来た私を歓迎しない人も、沢山いると思います。だから私は、皆さん全員が私を信じてくれるまで諦めません。
これから、姫として……宜しくお願いします」
私がするべきこと。
それは、皆に、私が【桜蘭】元姫だってことを、伝えること。
それを話した上で、受け入れてもらいたい。