恋猫シンドローム



「ありがとう、嬉しいよ、ブラック」


私は学校で初めて、笑顔になれた。


『どういたしまして、鈴』


そんな私に、ブラックも笑いかけてくれた。そんな幸せの余韻に浸っていると、すぐ後ろに、誰かの気配を感じた。



「やっぱり、藤森さんって、猫と話せるんだ?」

「ヒッ!!」


まただ。これは、朝のデジャヴ??


「すごいね、超能力?」  

「あ、わ………」


超能力!?違いますよ!!私も知りたいくらいだ。こんな変な体質の治し方!!



ブラックを抱えたたま、私は後ずさった。



「逃げないで、俺は、藤森さんと話したいだけなんだ」

「え、何故?」


何故!?人として、敦賀君と面識があるのは、あの朝の出会いだけだ。


猫の姿じゃないのに、どうして!?



「俺、藤森さんはすごい面白い何かを持ってると思うんだよね。それを暴きたいから……?」


あ、暴くな!!!第一、私は全くもって、面白いの「お」の字ももたないつまらない人間なのに!!


「猫と話せるの?」

「そ、そんな馬鹿な……」


私はひきつり笑いで首をブンブンと左右に振る。