恋猫シンドローム



「敦賀君、ちょっと意地悪だよね」


ふてくされると、敦賀君が少しだけ身を乗り出して来たのがわかった。


「そんな事言われたのは初めてだ。なら、俺が意地悪なのは、藤森さんだけかも」

「え………」


振り返ると、敦賀君との顔の距離は数センチだった。


ードクンッ


「はわっ!!」


はたまた大きく胸がトキメキ、体に、あの不思議なゾワゾワとする奇妙な感覚が走る。



まずいっ!!!


ーガタンッ!!!


「藤森、どうしたんだー?」


急に立ち上がった私を、先生と他の生徒たちが変な目で私を見る。


うう!!私のせいじゃない!!猫に、猫になりそうなんだよー!!



「あ、あの!!体調が悪くて!!ほ、保健室に!!」

「そ、そうか。じゃあ、保健委員、藤森を……」


保健委員!!?誰だ!そんな委員会作ったのー!!!?


「あぁ、俺です。藤森さん、行こうか」

「げっ!!つ、敦賀君……」


敦賀君が保健委員だなんて!!!なんて、ついてないの、私はーっ!!


「わ、私一人で大丈夫ですので!!」


私はお腹を押さえ、病人の演技をする。そして、鞄を取ると、ゆっくりと教室の扉まで向かった。


「失礼します!!」


ースタンッ!!!タッタッタッタッ


勢い良く扉を開けて、駆け出した。