「ホワイト、君は誰かの飼い猫?ノラにしては綺麗だし」
『いえいえ、人です』
「ご飯、あげたら怒られるかな」
猫のご飯?キャットフード!?
『やめてください』
無駄な抗議と分かってても、これだけは死活問題だ。
「ホワイト、猫って本当に気紛れなの?」
だから、私は猫じゃ………
「君も、突然俺の前から消えたりする?」
『え………?』
真剣な顔で、寂しそうな瞳で、私を見つめる。それから、儚げに笑った。
「……なんてね」
どうして、そんな顔をするの?そう尋ねたくて、私じゃそれを伝えられない事に気づいた。
きっと、さっきの言葉は本気だったはずなのに、まるで、誤魔化すような笑みに心が騒ぐ。


