私は二階の大神さんの部屋に行く。


コンコンとノックをして、返事を待たずにドアを開けて入る。


「大神さーん。お昼は何が良いですか?」


書斎みたいな部屋の机で新聞を読んでいる大神さんに私は聞いた。


「……」


返事は無い。私はすたすたと近寄った。


イヤホンで音楽を聞いている。


かなり、集中しているらしい。私がここまで近づいても全く気づかない。


私は思いっきり背中を叩いた。


バチン!いい音がした。


「ぐぁぁ!な、なに!?どうしたの?葉月ちゃん。」


「お昼!何が良いですか!」


「あ、そうだなぁ、あっさりしたものが良いなぁ……素麺で!」


「はいはい…。待ってて下さいね」