「多分…通り魔はもう一人の桜さん。んでそれを知ってしまったのがもう一人のお兄さん。けれども、お互いは普段は普通だから何にも無し…」


「そ、それでもう一人の桜さんがお兄さんを……殺した?」


私が言うと大神さんは首を振り、


「ううん。お兄さんを殺したのは俺の言った通りお兄さんだよ…。それは間違いない」


と、言う。


「って事は……?」


「まぁ、こっからは推測だけど多分もう一人の桜さんがお兄さんがお兄さんの内に携帯を置いたりしたんじゃないかなぁ」


そう言い、思い出したように、


「そん時に全部の痕跡を消すために綺麗に片付けたのかもね」



「成程。それをもう一人の自分の仕業だと思ってしまい…自殺を…」


私はなんとなく理解した。と同時に気になった。


「なら何でもう一人の桜さんの謎を解かなかったんですか?」


そうすれば、通り魔も捕まえられたのに。