「じゃ、じゃあやっぱり…」
桜さんがそう言いかけたと同時に、
「しかし、部屋の中を見ると不可解な点がいくつかありました」
大神さんがそう言った。
「まず縄を結んだ柱の高さと足場の低さの事です」
「と、言いますと…?」
恐らく部屋の中を見ていない桜さんが聞き返すので、
「縄は天井にある柱に結びつけられていました。そして、その縄の下にはこれくらいの本の束がありました…」
大神さんは手で高さを表しながら話を続ける。
「この本の束の高さだと、天井には届かないんですよ…。だから近くの椅子とかを使って縄を結んでその後本の束を置いて…」
「ま、待ってください!なんでそんな面倒くさい事をわざわざ?」
桜さんが聞く。
「つまり、確実に殺そうとしたんですね」
「えっ?」
大神さんはそれだけ言い話をつづけた。


