「そ、それは…、あの人はやっぱり自殺だった……?」
桜さんは驚きながら聞き返す。
「いいえ、お兄さんは殺されました」
大神さんはなんだか不思議な事を言い出した。
「え…?あの大神さん…?」
私も思わず聞いてしまう。膝枕が終わると途端に馬鹿になるんだと、思った。
「まず、扉は中からしか鍵をかけることが出来なかった…ですよね」
大神さんは急に説明を始める。
「え、えぇそうです」
戸惑いつつもしっかりと答える桜さん。
「えー、私もあの扉を見ましたが…確かに内側にしか鍵がついていませんでした」
「つ、つまり?」
私が聞くと、
「密室という考えだとあそこは完璧な密室でした」
と、言ってくれる。