私が玄関に着くと同時に扉が開いて、1人の男が出てきた。
男は何歳だろうか?少なくとも私よりは年上だろう…。
でも、なんか、かっこいい感じの人だった。少し髭を生やしている辺りも。
ダンディーな大人って感じだ。
「やぁいらっしゃい。どうぞ中へ」
「おじゃましまーす」
私はそう言い家の中へと入った。
「あ、どうぞ。座って、座って」
応接室の様な場所に通されて、私は椅子に座る。
「よし、じゃあ……っと。合格!」
男は手をパンと叩いて言った。
「え?」
「よろしくね。あぁ俺は大神 深(オオカミシン)」
「えっ?えー?」
まだ、困惑している私。
すると、頭の中に恐い顔の大家さんが出てきた。あ、そうだ。お金を稼がないと…。
「私は、神代 葉月(カミシロハヅキ)です」
私の脳内は完全に営業モードに入っていた。