「さらに…縄の下にある本の束かな」
私はメモをして、
「これも何か変なんですか?」
と、聞く。
「うん。葉月ちゃんがさっき言ってくれたようにこんな足場だったらぐらついて凄く首を吊るのは難しいよね」
「えぇ、ですよね。首を吊るにしても、お兄さんを殺して吊るすとしても…」
私はメモ帳の隅に私の考えも書いておく。
「そう、近くにしっかりとした椅子もあるのにね」
大神さんは椅子を指さして言う。
「じゃあ、こっからの確認は桜さんにも聞かなきゃダメだから…桜さーん!」
大神さんは大きな声で桜さんを呼んだ。
「あ、葉月ちゃん。扉を閉めてくれる?」
やはり、探偵が助手に膝枕をされているのを見られるのはまずいんだろうなぁ。


