「痛い!痛いってば!葉月ちゃん!」 大神さんは手を出して私の足をどける。 「証拠…!」 私は大神さんにそう言って足を上げる。 「分かった!ちょっと待ってね……」 大神さんは自分のスマホを取り出して誰かに電話をかけた。 何か喋っている。 「ねぇ、葉月ちゃん。加治木(カジキ)博士って知ってる…?」 大神さんはこちらをチラリと見てそう聞いた。 私は少し考えた。加治木博士…? 「あの、この前25歳でノーベル賞取ったあの天才の…?」 「そうそうそう!!!」