その探偵事務所はごく普通の民家だった。


本当に、ここか?と思ったが、表札に大神探偵事務所と書いてあったのできっとそうだろう。


その民家…いや、探偵事務所は築数十年は経ってるぐらいの木造二階建てだった。


それでも、庭がついていて結構手入れが行き届いている感じがした。


ピンポーン、呼び鈴を鳴らす。


「あぁ……、はい」


どう聞いても、寝起きの男の声がインターフォンから聞こえてきた。


「えっと、助手募集の張り紙を見て来たんですけど……」


私が言い切るより早く、


「え!本当?どうぞ、どうぞお入りください」


急に声が元気になった。うわぁ帰ろっかなぁ。


しかし、生活の為には致し方ない。私は庭を少し進み玄関に行く。