大神さんは指をさし、
「例えば、あの散らばった本」
「ん?あれがどうしたんですか?」
「例えば誰かがお兄さんを殺してあの縄に吊るそうとしたら…あんな不安定な足場だったら絶対に吊るしにくいよね」
「あぁ…確かに」
私はそう思いつつ、
「でも、縄で…こう、滑車みたいに吊り上げたんじゃ?」
と、自分の考えを言う。
「それも考えられるけど…そういう事が出来る縄の結び方じゃ無いんだよ」
大神さんがそう言うので縄を見ると。(確かにどういう風にかけられていたのか全然見てなかった)
縄は天井にある柱に結び付けられていた。しかも、縄を余らせずきっちりと。
「これじゃあ…確かに上で結んで、それからって感じですね」


