膝枕の上の探偵さん


「それだけじゃ…?」


「うん。何かある気が…する」


大神さんは服をガサガサやりながら言う。


「でも、大神さん」


私は肝心な所を大神さんが忘れている気がして言う。


「なんだい?葉月ちゃん」


「密室の事を考えなきゃじゃないですか?」


私はそう聞く。


「うーん。本来ならそうだろうね」


大神さんは首をひねって言う。


「本来なら?」


「なーんか、違う気がする。普通の事件とは何かが…」


「何か?」


「うん。何か…」