膝枕の上の探偵さん


「うん、そうなんだけど…2本あるね」


大神さんは歯ブラシを手に取って言う。


「んん?使い分けてるとかじゃ…?」


「どうなんだろう。まぁそうかも…ね」


大神さんは再び考える。


「しかし、綺麗に片付けられてますねー。お兄さんは綺麗好きだったんですかね」


「そうだね…でも……綺麗過ぎる気が…」


大神さんは頭を掻きながら言う。


「ふぅ…。次は…」


大神さんは歯ブラシを元に戻して部屋を見回す。


すたすたと歩いてクローゼットに向かう。


「よいしょっ…と」


クローゼットの扉を開けると沢山の服が入っていた。


「へぇー、男の人でこんなに服を持ってるなんて珍しいですね!」


私は率直な感想を言う。


「だよね。普通はこれの半分もあれば…」


大神さんは言いながら、


「って言うか、これこっち半分は派手目でもう半分は地味目だね」


「あ!本当ですね…服の趣味が広いですね」


などと私は言う。


「うん。でも何かそれだけじゃ…」