「きっと…これを足場にしたのかな」
大神さんは本と縄を見て言う。
「でも、こんな固定されてない本だったらぐらついて大変でしょうね」
私は率直な感想を言った。
「うん…だよねぇ」
大神さんは少し考えているようだ。
「じゃあ、他の所も…っと」
大神さんは考え終わると他の所を見た。
「ん…?」
大神さんはまた何かに気づいたようだ。
「葉月ちゃん。ここって桜さんとお兄さんだけで住んでるんだよね?」
「えー?そうですよ。そう言ってました」
「じゃあ、これは…?」
大神さんは指を指す。
「歯ブラシ…ですね」
私は見たまんま言う。


