膝枕の上の探偵さん


「あっ…」


私は思わず声を出してしまった。


なぜか?部屋の真ん中には桜さんのお兄さんが首を吊っていたであろう、縄がそのままかかっているからだ。


もちろん、そんなものを初めて見た私だ。


「ん…大丈夫?葉月ちゃん」


大神さんは私の顔をのぞきこんで言う。


「あ、はい。すいません。大丈夫です…!」


私がそう言うと、大神さんと桜さんは部屋の中に入ろうとする。


するが、桜さんは足がカタカタと震えて部屋の前で動けない。