私と大神さんは応接室に通された。


「どうぞ…コーヒーです」


「あ、どうも」


私は桜さんからコーヒーを受け取った。


大神さんはコーヒーを飲みながら周りをキョロキョロと見回している。


「えー、それでここにお兄さんと住まわれていたんですね?」


大神さんはコーヒーを机に置いて桜さんにそう聞いた。


「は、はい。そうです」


「ここで、お兄さんは亡くなられた…?」


大神さんは少し桜さんに気を使ったのだろうゆっくり静かに聞いた。


「えぇ…。兄の部屋で…」


桜さんはやはりつらいのだろう。言葉を詰まらせながら答えた。


「それでは、その部屋を見せてもらってもいいですかね?」


「あ、は、はい。どうぞ。ご案内いたします」