きっぱり言った梅宮くん。うん、やっぱりだ。こんなイケメンと会っていたら忘れる筈がない。忘れてたら逆に凄い。


「梅宮くん、私の名前知ってる?」

「知りません、ですが好きです。」

即答ですか。それって一目惚れってことだよね。


「あのね、梅宮くん。梅宮くんは私に一目惚れしたってことだよね?…私、一目惚れとかって好きじゃないの。」

梅宮くんには、悪いが正直なことを言わせてもらう。すると、梅宮くんはシュンと眉を下げる。なんだこの天使は。


「じゃあ、俺、これから先輩のことを知っていきます。それでまた好きになっていきます。」


「いや、そういうことじゃなくて……。」


「先輩。俺、先輩が好きなんです。諦められないんです。見ていてください、俺が先輩をどれだけ好きになったか、ってことを。」


そう言って、スタスタと歩いていった梅宮くん。

「ちょっ……。」

そう声を出したときには、もう梅宮くんの姿はなかった。あの無駄に長い足のおかげだな。

最後にすんごい言いたい。



……名前だけでも覚えて帰って。