何、泣いてんだよ…。


「はあ、なに泣いてんだか。
つか、この手離してくれない?」


そう言って腕を掴む。



「うぅ…せと、ぐち…くんっ…!!」


泣きながら呼ぶなって…。



「……瀬戸口!!!
なんで、お前がそこまですんだよ!」



なんで?



そんなの



一つしかねえじゃん。




「だってコイツ
俺のだもん」


そういうと

男から手を離し

心愛の手を引いて走り出す。



「えっ?
えっ?
瀬戸口くん……っ!!」


訳がわからないみたいに俺の名前を呼ぶ。




たくっ、


何してんだよ俺は。