ジュリアは体が動くと同時に声を発していた。

「お客様危ない!」

そう叫びながらジュリアは少年を助けようと少年に自ら身体をぶつけた。

パッリーン………!

硝子が割れる音が2人しかいない道に鳴り響いた。

ジュリアは少年を庇うように覆いかぶさる状態で2人とも地面に倒れこむ。

ハッとしたジュリアは慌てて少年の上から体をどかすが右足に鈍い痛みが、走るが何事もなかったようなに少年の方に顔を向けた。

「お客様大丈夫ですか?」

少年は呆然と割れた硝子を見ていたが
ジュリアの声に我に返る。
するとジュリアの右足に目がいった。

「僕は大丈夫。けど、君の方が硝子が刺さっているよ」

少年はジュリアの右足をゆっくり持ち上げ自分の片膝に置くと、怪我の原因の硝子に手をかけるとゆっくりゆいた。

「っう……はっ………!」

ジュリアは少し痛みに呻いた。

「ごめんね。僕のせいで」

「いえ」

少年はどこに持っていたのか携帯ようの救急袋を取り出し、ジュリアの足に消毒薬と包帯巻いていった。

包帯を巻き終わると道端に転がっているゆりの花束を拾い、何もなかったようにその場から立ち去ってしまった。

「手当のお礼言えなかったな」

怪我をした足を庇いながら店の中に戻った