「ジュリア様!はいりますよ!」

バタンと大きな音を立てながら部屋に入ると、寝室の窓が開いていてレースカーテンが風に揺れパタパタと音を立てた。
この部屋で寝ていたはずのジュリアがどこにもいなかった。

慌ててあたりを探したがそれらしき痕跡もない。近くにいた衛兵にジュリアを探すように指示を出した。

ウィリアムにはその権利が与えられている王太子妃の専属執事それ以外の権利も様々あるが今回もその一つに過ぎない。

指示を出した後慌ててシオンがいる部屋までやってきたのだ。