髪を弄られる感覚に薄っすらと意識が戻ったジュリアは目を覚ます。
目の前に自分の姿を見て驚いていた、いつの間にか、ドレスを着せられて、執事が横髪を編み後ろで結んでいる。

「お目覚めですか?ジュリア様、ご心配なく着替えさせたのはメイドでございます」

それを聞き安心したジュリアはホッとした。
髪を洗ってもらっている途中から記憶がない事に気づいた。

「レオン様がここまでジュリア様をお運びになられましたよ。気持ち良さげだったものですから、我々も起こさずに身支度をしていたのです」

驚いていたジュリアは謝ろうとすると執事がそれを制した。

「使用人は仕えるべき人物の眠りを妨げるのは許されないことですから」

え?っと首を傾げるジュリアに微笑み掛ける執事は後ろからやって来た人物に先ほどまで自分がいた場所を開け、後ろに下がった。

「何故なら君が僕の妃だからね。あぁ、今ここにいる執事は君が主人だ。身支度などは彼が手助けしてくれるよ」

振り向くとそこにはシオンが立って居て彼もまた着替えも済ませ、ソファーにくつろいでいたのだろう。

ジュリアが目覚めたことに気づきジュリアの元へやって来たのだ。

執事は綺麗に最敬礼して、部屋をでて行くと、再び現れた時には手にはジュエリーボックスをてにしていた。

「私の名はウィリアム・クリジュアと申します。ジュリア様の身の回りのお世話をさせていただきます。どうかウィリアムと呼び捨てでお呼び下さい。使用人には「さん」を付けてはなりません。他のものに示しが付きませんので」

ウィリアムは失礼しますというと、ジュリアにダイヤモンドがふんだんに、あしらわれたネックレスやイヤリングをジュリアに付けていった。