ここはリーフェイト王国

ウィングフィールド家が王族となってからは内戦や戦争などがなく穏やかな日々を送っている国にひとりの少女が花に水をあげていた。

少女の名はジュリア・クロイツ
可憐な少女なのだが、ひ弱で風を引きやすい。

今年の春に両親が強盗犯に襲われ亡くしている。

「お父さん、お母さん、おはよう」

写真の前に立ち、花を生けた花瓶をおくと、手を組み天国よ両親に話しかける。

「ねぇ、あれから半年経っちゃたね。犯人も捕まらない、お母さんの指輪も見つからない」

ジュリアはペタンと床に座った。頬に一筋の涙の道が出来ると顔を天に向ける。

「淋しいよ・・・クスン・・・お母さん、お父さん・・・ヒックッ・・・帰って来てよ」

次第に嗚咽が混じり始めたが腕で涙を拭い立ち上がった。

「仕事に行かなきゃ・・・いってきまーす」

元気な声が誰もいない家に響く。
ジュリアは元気良く家を出た。