あれから夏休みはあっという間に来てしまって、葵が人生初めてのアルバイトを初めてから5日が経った。




《拗ねんなよ》

「…」

《おーい》

「…」

《美鈴ちゃーん》

「…死ね」




5日間全て葵とは会ってない。



そんなアルバイトばっかりで彼女を放置してる彼氏に対して拗ねない彼女なんかいるのか。



さすがに"死ね"は言い過ぎたかもしれないけど、私にとっては5日会ってないことが凄い事で。


たった1日会ってないってだけでも寂しくてたまらないのに、会えない時間も耐えられないのに。



5日も葵に触れてない。

5日も葵に抱き締めてもらってない。

5日も葵とキスしてない。



5日も会ってないだけで、毎日のように会ってた葵が足りなくて私は葵不足になってるのかもしれない。




「…ごめん、言い過ぎた」

《まあ、俺が死んだら一番困るのはお前だけどな》

「うん」

《だよなぁ―…って、は?》

「葵が死んだらあたし困る」

《今日はやけに素直だな》




やけに素直なのは、


誰かさんが私を放ったからして夜中でも会いに来てくれなくて寂しい思いをさせてるからでしょ!!



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