お母さんが九州から帰ってくることとお母さんが葵に会いたいことを葵に話すと、

葵は『俺も会いてぇな』って笑ってくれた。



そんな葵を見て、私の彼氏が、私の好きな人が葵で良かったなって嬉しくなった。



こうやって親が帰ってくることを私と一緒に喜んでくれてる葵を、すごく愛しく思った。



「ねぇ、葵」

「ん?」

「あたし、葵でよかった」

「は?」

「彼氏が葵でよかった」

「……あぁ。他のやつがよかったなんて言われても困るけどな」



じゃあ葵も同じように私のことを“美鈴でよかった”って思ってくれてるのかな。



………思ってくれてるといいな。



「まぁ……俺も、」

「うん?」

「美鈴でよかった」

「……!」

「まぁ、美鈴がよかったんだけど」



この時、私のハートはドキュンと撃ち抜かれた。


葵の低くて甘い声と、その言葉で私のハートは見事に撃ち抜かれた。



「つーか、俺らバカップルぽくね?」



そんな葵の声は、もう私には聞こえなかった。



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