葵が煙草を吸い終わると私も椅子をくるくる回して遊ぶの止め、窓を全部開けた。



すると、そんなに広くない保健室から溜まっていた煙草の煙が窓の外へと出ていった。



さっきまで煙草の匂いが充満していたけど、煙草の匂いも窓の外へと出ていって

煙草を吸ってたという証拠は隠滅された。



っていうかさぁ。

煙草のことですっかり忘れてたけど、大事なこと聞いてないじゃん。



煙草と停学が頭の中からなくなると頭にはさっきのモデルの女の人の名前が浮かんだ。



大事な話だから近くで喋りたいと思って葵がうつ伏せで寝てるベッドの端に座ると、



ギシっと保健室のベッドらしい音がした。




「ねぇ、」


「ん?」


「長谷川舞子と…さっきの女の人とどういう関係なの?」




気になる。

そりゃあ気になるでしょ。

だってカリスマモデルだよ?

女子中高生の憧れだよ?



それが自分の彼氏と親しく話してたら誰だって気になるでしょ。



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