小さな声で“ちょっと外出てくるね”と慎悟くんは言うと、周りが騒ぐ中、部屋を出ていった。



慎悟くんが部屋からいなくなると、私はひとりぼっちになってしまった。



さっきまでは、慎悟くんが気を遣って私に話し掛けてくれたりしたけど、慎悟くんはいない。



周りの男たちは、バイクや車の雑誌を見たりして、よく分かんない話で盛り上がっている。



女の子たちはというと、葵や他の男にベタベタと触って、楽しくお喋りしてる。



葵も別に嫌そうな顔はしていなくて、女の子たちと一緒に楽しそうに話してるみたい。



みんな同じ中学の仲間らしい。



私だけが違う中学だから、話題にもついていけないし、周りのみんなと上手く話せない。



前に、葵と一緒に集まりに参加させてもらった時もそうだった。



知らない男たちの中で、女の私が一人いて、しかも中学違うから話し合わなくて。



ひとりぼっちだった。



私だけが、ひとりぼっちだった。



葵も、楽しそうに盛り上がってるところに入って、一緒に盛り上がっちゃうし。



誰も話しかけてきてくれない。



だからって、私から話しかけられない。



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