嘘とワンダーランド

「そうです」

わたしは首を縦に振ってうなずいた。

「こんなところでの立ち話はなんなので、どこかへ移動しませんか?」

そう言ったわたしに、
「よろしくお願いします」

彼が言った。

喫茶店に入って席に座ると、
「早速で申し訳ないんですけど、本当に姉の夫なんですか?」

わたしは質問をした。

「本当です。

伊園直景(イソノナオカゲ)と申します。

N町で予備校の講師をしています」

伊園さんは丁寧に自己紹介をした。

「早苗さんとは2年前に知人を介して知り合い、交際をしていました」

「2年前から、ですか…」

そんな昔からお姉ちゃんとつきあっていたなんて…。

今の今まで何も知らなかった事実に、わたしは驚くことしかできなかった。