サツキがゲーム機を片付けてる間、俺と光輝はソファーに座っていた。


「なぁ…サツキってたまにあんな風にキレたりするのか?」


光輝は小さい頃からサツキを知ってるから聞いてみた。


「いや…あんな事を言われたのは初めてだ。
昔はよく泣いてたし、本当にドジばっかりしてたからな。
やっぱりサツキは優くんと兄妹だけあって、キレたら怖いかもしれないな。」


そんな話をしていたらサツキがこっちに来た。


「はい、どうぞ!」


サツキは俺達にジュースを持ってきてくれてありがとうと言ってコップを受け取った。


「そう言えば優くんは?」


「ああ、お兄ちゃんなら眠いから寝るって言って寝たよ!」


「そっか…じゃあまた明日でも遊び来るわ!」


「こうちゃんは昔からお兄ちゃんが好きだよね?」


「確かに優くんは兄貴みたいな存在だし好きだけど、俺は優くんが居るからこの家に遊びに来ていた訳じゃないしな!」


「そうなの?」


「この際、誠も居るし言わせてもらうけど…」


そう言った光輝はサツキをじっと見つめた。


「俺は小さい時からサツキが好きだった!
親父の転勤で離れちまったけど、あの頃はまだガキだったし、照れ臭くて好きだなんて言えなかった。
勿論、転校してから中学に入って彼女も居たけどやっぱサツキの事が忘れられなかっよ!

好きだ!昔も今も

俺はお前と久しぶりに会ってやっぱ好きなんだって思った。

誠と付き合ってようが俺には関係ないし、サツキを俺に振り向かせるから!

誠…俺は遠慮なんてしねぇから!

じゃあ俺は帰る、また明日な!」


そう言って光輝は帰ってしまった。


サツキが昔も今も好きか…。


だが光輝がサツキに告白した時、俺は光輝にサツキを渡したくないと思った。


その時に俺はサツキの事が好きなんだと分かった。


まともな恋愛はしてこなくて、女とは遊びでしか付き合った事がなかった。


この短い期間、サツキと一緒に居て、初めは面倒くさいとか思ってたけど、何故かサツキを放っとけなくて、守りたいとも思ったし、ドジな所や、試験があるのを忘れてたり、数学が苦手だったり。
今思えばは友達以外で女のために自分から何かをしたのが初めてだった。


光輝にイライラしたり、圭介と番号を交換してた事も良い気がしなかったのは、俺の中でいつの間にかサツキが特別で、知らないうちに嫉妬してたんだな俺。


だけど自分の気持ちに気付いた以上、光輝には負けねぇ!