俺の親父は化粧品会社の社長で、日本もだが今は海外を拠点に仕事に力を入れている。
いずれ俺は会社を継がなきゃならねぇ。
ガキの頃からは英才教育をやらされて、成績は優秀だった。
だけど学校は普通の所に行きたくて、勉強以外は親に縛られたくなかったから親父にそう言ったら納得してくれた。


その代わり学校だけは真面目に行って大学で経済学を学んでくれたら警察沙汰以外では何も言わないと言うのが条件だった。


だから俺は自由に友達とも遊んだし勿論、家に帰れば勉強だってした。


俺が中学生になった頃、上級生には不良が沢山居た。
だけど俺はそんな奴らを見ても怖いとかも感じる事はなく、睨まれてもシカトしていた。


そんなある日、三年の不良に呼び出された。
小学生からのダヂの圭介も俺と似たようなタイプで二人で"面倒くせぇ"と言いながら体育館裏へと向った。


着くとそこには10人くらいの不良が居て、その中のリーダーだと思われる男がニヤニヤしながら話しかけてきた。


「逃げずに来たのは褒めてやるよ!
だけどお前らは俺達、上級生に挨拶もしねぇし態度がでかいのが気に入らねぇ。」


「別に態度がでかい訳でもないし、あんたらとか初めから眼中ねぇし!」


「何だテメェ!」


俺の言った事に怒り狂った不良のリーダーが俺に殴りかかってきた。


だけど俺はそいつのパンチを左手で受け止めると、そのまま相手の顔面にパンチした。


「いっ…」


その不良リーダーは蹲り、鼻血を流していた。
それを見た周りの不良が俺達二人に殴りかかってきたが、雑魚ばっかりで楽々倒した。


圭介も空手を習っていて、殴られるのにも慣れてるから喧嘩は強かった。


不良達が俺らに負けた事が学校内に広まり、負けた不良達は俺達が学校のトップだと言ったらしく、その日から何故か話したこともない不良達に囲まれるようになった。