部屋に入った英梨をまた抱きしめた。



勝手に抱きしめてたって言うか…。



キモイな俺…。



「蒼君?靴くらい脱ご?」

「ヤダ。離したくねぇ。」

「うん…。」



このまま連れて行きたい…。



ムリな事は分かってるのに…。



「いっぱい電話してね?」

「ん。」

「もう浮気しちゃダメだよ?」

「ん…。ごめんな?」

「好きだよ蒼斗…。」



あっ…。



やべぇ照れる…。



今頃呼び捨てかよ…。



「電気つけて?」

「イヤっス…。」



今顔見られたら俺の威厳に関わる。



絶対顔赤い…。



「蒼君?」

「何だよ。」

「好きだよ。大好き。」

「俺も好き。もっかい名前呼んで?」

「蒼斗…。蒼斗蒼斗蒼斗…。」



英梨に呼ばれる『蒼君』も特別だけど、やっぱり『蒼斗』のが特別。



心臓がキュンってなる…。