テンションの低い兄に送ってもらった事務所の寮。



「じゃ蒼斗、気をつけてな?」

「おぅ。ヒナ兄も頑張れよ?」

「ふぅ~…。頑張りますわ…。」



ヒナ兄なら大丈夫だ。



モデル辞めても経済力もあるし。



ってかもう一生遊んで暮らしても残るくらいの貯えはありそうだし。



「なんかビックリだね…。」

「だな~…。でも俺らだっていつ出来っかわかんねぇよな。」

「ちゃんと避妊してるじゃん…。」



確かに。



でもあのヒナ兄がヘマする気がしねぇんだけどな…。



「ガキの1人や2人養ってやるよ。」

「うん。」



まだ先の話しだよな。



俺、もう1回2年生やらなきゃいけねぇし…。



今は仕事に励もう。



「明日は何時に帰るの?」

「夜だな。少しでも長く英梨といてぇ。」

「素直過ぎて怖い…。」



そうだよな…。



俺も思う…。