でもあたしは蒼君が浮気したんだと思ってしまう気持ちが大きくて…。



蒼君が来るまでドキドキが止まらなかった。



「恭一君…。何なのコレ…。」

「なんだろうな?って事で仲裁してやったんだから蒼斗持ちな。」



恭一さんは伝票を蒼君に渡して席を立った。



あたしに笑顔を向けた恭一さんはかっこよくレジェを後にするのかと思えばカウンターに移動して慎也さんと話しながら飲み始めた。




そんな事はどうでもいい…。



目の前の蒼君が怖い…。



「嫌いなんだろ?俺の事。」

「嫌い…じゃないもん。」

「朝は何だったわけ?」

「仲直りしたくて行ったら蒼君が浮気してた…。」



もうきっと一生忘れない光景だと思う。



しかもキレイな人だったし…。



「俺が何しても関係ねぇだろ。」

「なんでそんな事言う…の…。」

「お前が俺に何も言わないから俺も言わないだけ。」



ヤバイ…。



泣きそう…。