教室に二人だけになったあたしと悠陽…。



もう声かけなきゃ…。



授業が始まってしまう…。



「悠陽…。起きて?」

「………。」

「悠?」

「何だよ…。まだ夜だし…。」

「次物理で移動だよ?」

「物理…。は!?学校かここ…。」



目を明けた悠陽は一瞬だけあたしと眼を合わせたけど、すぐに反らされた。



机から物理の教科書を出して立ち上がる姿をただ見てた。



「俺先行くな。」



本当に!?



一緒に行かないって事はやっぱり…。



「待って悠陽…。」

「ん?何か?」

「別れる…とか…ナシで…。」

「自分で言ったんだろ。」

「でも…。悠陽じゃなきゃイヤ…。」



泣きたくない。



悠陽を困らせたくないと思っても涙は出て来てしまう…。



「で?」

「昨日のはなかった事に…して…。」

「ヤダ。いくら何でも別れるは言っちゃいけないと俺は思うんで。」



そうです…。