絶対主従関係。-俺様なアイツ-

「話を最後まで聞けよ。
その代わり、負けたほうは今後“絶対服従”が条件」


 文化祭で一位を獲る……それは売り上げだけではなく、お客さんに満足させてこその投票なのだ。

あたしひとりががんばったところで、成し遂げられるモノではない。


けど、それはミカドだって同じだ。


 ただミカドの場合は、その容姿に家柄と校内に支持する人は少なくない。

確か、去年だってミカドのクラスが一位を獲っていたし。


青ざめていく自分に、追い討ちがかかる。


「せいぜい好きにがんばれよ、実行委員?」

 皮肉たっぷりのミカドの言葉。


泣きたい? …ううん、まさか。


「アンタこそ、いつまでも余裕ぶっこいてなさいよ!それが天狗だって思い知らせてあげるわ!」


 思い切り啖呵をきってしまったのだった。



 自分の言葉に、いまさら後悔。

けれどそうでもしなければ、きっとあたしに自由な時間はやってこないだろう。


とにかくやるしかないのだ。


「あのさぁ、愛子……」

 思い出し後悔をしていたあたしに、小町の声で一気に現実に戻る。


さっきまであんなに力強く覗き込んできたのに、相反する態度だから、こっちが困惑してしまう。


「んん?どうか、した?」

 いつにない小町の複雑そうな横顔。

言いかけては引っ込めて…と、口をパクパクさせている。


ただ黙ってその続きを待っていると、ようやく意を決したように小町が口を開く。


そして……