日々の最後に見る、チョコ色の扉に消える紅葉さんの後姿。
就寝前のアイツの世話は、いまだ紅葉さんがしていた。
「いずれ愛子さんに任せるつもりだから」
そんな笑顔でいわれても、二つ返事で応えられるわけがなかった。
ここでの暮らしは未だにわからないことだらけ。
主任にはたくさん怒られて、必死に走って学校へ行き、のんびりする暇もなく帰ってきたら仕事だ。
「……あたし、なにしにきたんだっけ?」
紅葉さんの可愛らしさと、皇さまの優しさには癒される。
そして、彼を意識してる自分もそこにいて。
いつのまにか、あんなに意地になっていたお父さんとの生活が、おざなりになっていた。
ごめんね、お父さん。
そっと呟いて、悶々とした考えを振り払うため、備え付けのポットに手を出した。
リラックス効果があるから、と、紅葉さんにわけてもらったハーブティ。
本当に爽やかな香りで、ぎゅうぎゅうな毎日を送るあたしとしても、すっかり頬を緩ませていた。
あまりにもおいしくいただけるものだから、調子にのってをガンガン飲んだ結果が、コレ。
「……やばい、迷った…」
いったんベッドで眠ったはいいけれど、お手洗いに起きてしまった。
寝呆け眼で部屋をでて薄暗い廊下を、ぼーっとした足取りで歩いていた。
おかげで道に迷ってしまったのだ。
あたしの部屋は、なぜか他の住み込みしている人たちとは離れている。
まあ、両隣は倉庫らしいんだけど。
そのため、わざわざ階段を上るか反対側の宿舎フロアまでいかないとトイレに辿り着かないのだ。
就寝前のアイツの世話は、いまだ紅葉さんがしていた。
「いずれ愛子さんに任せるつもりだから」
そんな笑顔でいわれても、二つ返事で応えられるわけがなかった。
ここでの暮らしは未だにわからないことだらけ。
主任にはたくさん怒られて、必死に走って学校へ行き、のんびりする暇もなく帰ってきたら仕事だ。
「……あたし、なにしにきたんだっけ?」
紅葉さんの可愛らしさと、皇さまの優しさには癒される。
そして、彼を意識してる自分もそこにいて。
いつのまにか、あんなに意地になっていたお父さんとの生活が、おざなりになっていた。
ごめんね、お父さん。
そっと呟いて、悶々とした考えを振り払うため、備え付けのポットに手を出した。
リラックス効果があるから、と、紅葉さんにわけてもらったハーブティ。
本当に爽やかな香りで、ぎゅうぎゅうな毎日を送るあたしとしても、すっかり頬を緩ませていた。
あまりにもおいしくいただけるものだから、調子にのってをガンガン飲んだ結果が、コレ。
「……やばい、迷った…」
いったんベッドで眠ったはいいけれど、お手洗いに起きてしまった。
寝呆け眼で部屋をでて薄暗い廊下を、ぼーっとした足取りで歩いていた。
おかげで道に迷ってしまったのだ。
あたしの部屋は、なぜか他の住み込みしている人たちとは離れている。
まあ、両隣は倉庫らしいんだけど。
そのため、わざわざ階段を上るか反対側の宿舎フロアまでいかないとトイレに辿り着かないのだ。


