絶対主従関係。-俺様なアイツ-

 風間先生と話していた皇さまに、少し納得。

貧乏生徒担当の先生とは、おそらく奨学金の話でもしていたんだろう。

なにせ、彼は委員長なのだから。


身のほど知らず、とはこのことをいうのか。


 肩を落としかけたところに、嫌味たらしくさっきのアイツの言葉がよぎる。



「皇はやめておけ」



 これはそういう意味だったのか。

いや、むしろあたしに対するイヤガラセなのではないか。


そう思えば思うほど、さっきまでショックだったのに、次第に怒りにすり変わっていく。


「……うっかりしてたわ、小町。
あたしにはやらねばならないことがあったんだ」

「あ、愛子…?」

 きょとんと見つめてくる小町には悪いけど、今のあたしを誰に求められない。



 気分はさながら悲劇のヒロイン。


───そう。

まさにあたしと皇さまは『ロミオとジュリエット』だ。


身分違いの恋に、この身をたぎらせてみせるわ。


「絶対に、負けないんだから……!」


 ハッピーエンドのジュリエットになってみせるんだから!


あたしの脳内は、ひたすらに『打倒、藤堂帝』の文字で埋めつくされていた。