絶対主従関係。-俺様なアイツ-

 廊下に鳴り響く声にピクンと反応してしまった。


 ミカド────

チラリと後ろを見やれば、艶やかな前髪を律儀に真ん中で別けて、切れ長の瞳が声の主を捉える。

隣の小町よりもさらに高い背は、その存在感に拍車を掛けている。


「げ」

 あたしは呟いてしまっていた。

皮肉なもので、声をかけた男の子の向こうにいるアイツと視線がばっちり合う。


闇見たく黒が広がり、油断したらずぶりと飲み込まれてしまいそうな目力。



 今朝のことでいいたことはあるんだけど、まさか小町の前でいいたくないし。

そんな躊躇。


 思わず俯いたら、アイツを呼んだ男の子があたしたちの存在にも気づく。


「ン?帝の知り合い?」


 どうか、言わないで。

ドキン、ドキン、と、教科書と書類を握り締める拳に、つい力が入ってしまったとき。



「──さあ、どうだったかな」


 それは何にも関せず、無機質な答え。


 奇妙なことに、あたしのココロはショックを受けていた。

固まってしまった身体には、容赦なく言葉が突き刺さる。



「さすが言うことは違うな。藤堂家の帝は、さ」



 ……あたしは、その台詞を知っている。

『あの時』聞いた声と言葉は一緒だったから、尚更だ。



そして、アイツは言うんだ。