絶対主従関係。-俺様なアイツ-

 なんとか予鈴ギリギリに教室につくと、そこはあたしと同じ貧乏学生諸君が教科書を片手に団欒している。


 息も絶え絶えの中、いつもみたく大きな声で一歩足を踏み入れる。


「お、おはようございまーす…っ」


 今日もまた、奨学金を懸けた勉学の時間が始まったのだ。




 こんなあたしみたいな勤労学生は、この学校では珍しくない。

アイツみたいなボンボンも、もちろん、わんさかいる。

けど、なんとかバイトと両立させて勉強している人だっている。


 さすがに同級生の家に住み込みをしてる人はいないと思うんだけど……。

それくらい自由なわけだけど、その代わりといっては、学校への報告は必須。


住まいが変わったことは当然ながら、勤務先が変わったのならば、それもきちんと報告しなくてはならない。

それさえ怠らなければ、口やかましく言うヒトはいないのだ。



 朝のHRを終え、一限目が始まる前に職員室へダッシュ。

何せ校内も広いから、余裕なんてあるわけがないのだ。


 戸の前で、ふう、と呼吸を整えガラリと引く。


「失礼しまーす」

「お、涼原、また短期のバイトか?」


 貧乏生徒担当の風間先生が、中指でメガネの中心を押上げながら、チェアをまわして振り向いてくる。

進路指導とかも担当しているためか、優しい顔立ちに似合わず、結構シビアな意見もくれたりする。


そういうところを、あたしは頼りにしていたりもするんだ。


 その風間先生の言うとおり、夏休みとかは短期のバイトと牛丼やを掛け持ちしたりしてた。

そのたびにここに訪れていたわけだけど。