その発表に、先ほどとは一転して、歓喜というより驚愕で周囲がざわめく。

さすがのミカドもあんぐりしていた。


 万年トップの金持ちクラスが二位!?

あたしだって、そう思わざるを得ない。


 資金力も華やかさも、そして参列者からの評判も引けを取らないあのセレブクラス。

それを超えるものなんて想像できず、ミカドも同じキモチなのか、ごくりとつばを飲み込んでいた。


『映えある第一位は……』


 司会の言葉に合わせて鳴り出したドラム音、暗くなった会場にスポットライトがグルグル回りだす。

ドクドクと胸を叩いて緊張が高ぶったそのときだ。


『有志バンドの─ドルチェ─!!』


 委員長の興奮の叫びの後、一瞬の沈黙がを突き抜けるように「やったー!」と数箇所から叫び声が聞こえる。

そして壇上に上がってきたのは、あの小町たちだった。


 表彰状を掲げて嬉しそうに笑いあうその姿に、言葉が出ない。


「な、なんなんだよ、これ……」

 不覚だけども、同意。

 堂々と優勝して見せたのは、数分しかみれなかったけど、ステージで生き生きと演奏していたあのバンド。


そう、それはとても楽しそうに。


 ふとその小町たちの笑顔に胸が痛む。

「……楽しんだもの勝ち、かな?」

 照れていたけど、ライトを浴びて賞賛の拍手が送られる親友の姿に、あたしはどこか恥ずかしくもあった。




 その日の夜、打ち上げは後日ということで、屋敷に戻ると早々に呼び出された。

もちろん、あのワガママ王子に、だ。