あたしの断固拒否に、禅くんは腕組をしてふふんと鼻を鳴らす。
「…やっぱり、僕と闘うつもりなんだ?」
「いやいやいや、闘うなんて滅相もない…」
そこは即、否定。
むしろ、専属の件に関してはお譲りしたいくらいだわ。
この元凶でもある“お方”にちらりと目をやると、あのアイツでさえ、はあ、と肩をすくめていた。
「ミカドと勝負の上、禅くんとまでなんて嫌です……」
ぽろりと零してしまったあたしの口。
その瞬間、階段上から降ってきた焦ったミカドの声。
「ば、馬鹿…っ!」
それと同時に、禅くんの目の色が変わった。
ひしひしと伝わるのは、どうやらあたしは地雷を踏んだらしいってこと。
「へえ、そうなんだ。帝とね……」
口端がニヤリとつりあがり、あたしは嫌な予感でいっぱいだった。
「そ、そういうことなので……」
あはは、と乾いた笑いを浮かべながらそおっと階段を上り始める。
けれど、それよりも早く禅くんがあたしの肩を掴んだ。
「その勝負、僕も乗った!」
あのキラキラした瞳は、今でも思い出せる。
っていうか、勝負の内容がまたもや変わってくるのだ。
二人は同じクラスだし、向こうが勝ったら大変なことになる。
ミカドが勝ったら、今後一切の文句を言わず、アイツに仕える。
けど、禅くんとしては金輪際、ミカドの世話をしないで欲しい。
んもう、ワケわかんない!!
とにかく、この勝負に勝てば二人のめちゃくちゃな言い分に振り回されることはないはずだ。
.
「…やっぱり、僕と闘うつもりなんだ?」
「いやいやいや、闘うなんて滅相もない…」
そこは即、否定。
むしろ、専属の件に関してはお譲りしたいくらいだわ。
この元凶でもある“お方”にちらりと目をやると、あのアイツでさえ、はあ、と肩をすくめていた。
「ミカドと勝負の上、禅くんとまでなんて嫌です……」
ぽろりと零してしまったあたしの口。
その瞬間、階段上から降ってきた焦ったミカドの声。
「ば、馬鹿…っ!」
それと同時に、禅くんの目の色が変わった。
ひしひしと伝わるのは、どうやらあたしは地雷を踏んだらしいってこと。
「へえ、そうなんだ。帝とね……」
口端がニヤリとつりあがり、あたしは嫌な予感でいっぱいだった。
「そ、そういうことなので……」
あはは、と乾いた笑いを浮かべながらそおっと階段を上り始める。
けれど、それよりも早く禅くんがあたしの肩を掴んだ。
「その勝負、僕も乗った!」
あのキラキラした瞳は、今でも思い出せる。
っていうか、勝負の内容がまたもや変わってくるのだ。
二人は同じクラスだし、向こうが勝ったら大変なことになる。
ミカドが勝ったら、今後一切の文句を言わず、アイツに仕える。
けど、禅くんとしては金輪際、ミカドの世話をしないで欲しい。
んもう、ワケわかんない!!
とにかく、この勝負に勝てば二人のめちゃくちゃな言い分に振り回されることはないはずだ。
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