絶対主従関係。-俺様なアイツ-

「あのー、なんでこんなことを……?」

「ええ?僕と愛子ちゃんの仲じゃん」


 そんな仲になったつもりはありません。

というか、今日初めて名前知ったし!


「あはは、疑ってる!……イイネ、その顔」

 悪びれることを感じさせない。

さすがはミカドと肩を並べ、あまつさえあたしをライバルと宣言したオトコ。

そういや、ミカドには、ゼンって呼ばれていたっけ。


 思い出していたあたしの隣でごく普通に振舞ってくるから、正直、あたしもどう対応していいかわからなくなってくる。


「まずはライバルって言っても、まずは自己紹介からかなって」


 それにしても、本当にマイペースすぎる……この人。

慣れないツルツルの車のシートに身体を強張らせて、チラリと隣を見つめた。




 どうしてこうなったかといと。

委員会が終わってそそくさと教室を出たときだ。


「やあ、愛子ちゃん」

 周りからはほんのり黄色い声があがったけれど、ミカドほどではない。


「……なんですか?」

 ジト目で返したあたし。

けれど、それさえ遮るように彼は親しげな笑顔で一歩近づき、


「さ、帰るよ!」

 強引にあたしの腕をつかみ、先日初めて利用した送迎車広場で黒塗りの車に連れ込まれた。

真っ青になるあたしの顔を、お腹を抱えて笑いだした彼。


「屋敷に連れて行ってあげるから安心して?」

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