ついつい、彼の顔に見惚れてしまった。 「気をつけて」 そう一声かけられると、彼は下へと降りていった。 私は、ぼーっと彼が行った方向を見つめる。 「あ、名前……」 聞きそびれちゃった。 まともにお礼してないのに。 「それに……」 私は、彼の顔を頭に浮かべる。 あの人、どっかで見たことある気がする。 同じ学年、とか。知ってる先輩、とかじゃなくて。 もっとすごいところで見た気がする。