次の日――
いつも通り店を開けていると、不意に入口の扉が開いた。
「いらっしゃいませ」
カウンターでUSEN放送に聞き入っていた俺は、軽く声を掛けて顔を上げた。
「あ…」
「こんにちは。
今日は客としてではなく、仕事で来ました」
そこには、スーツ姿の草壁さんが立っていた。それに、もう1人若い男性の姿があった。
誰だ?
仕事で来たという事は、この男も刑事という事なのか。
「高山です。
捜査の協力をお願いします」
「はあ?」
高山と名乗る刑事は身長が180センチ近くはあり、スラリとした体型に白いカッターシャツに薄いブラウン系のスラックスを履いていた。
細面につり上がった眉。それに威圧的な鋭い眼光。口元は笑みも溢さず、俺の目を見据えている…
部外者の俺ですら感じる圧倒的な存在感は、この高山という若い男が優秀な刑事だという事を物語っていた。
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