身長175センチの、俺の胸辺りまである門。

その門に前足を掛けて吠えまくるシェパードを、平然と狭い庭で放し飼いをする飼い主…


迷惑だ。
近所の住民も、通行人も、全ての人がこのシェパードを邪魔な存在だと思っているに違いない。

俺は、そんな全ての人々の代弁者として、制裁を加える…

そして、俺が手にした能力を同時に試そう!!



俺が門の前に立つと、深夜だというのにシェパードは猛烈な勢いで走って来ると、激しく吠えまくった。

俺は、門からはみ出しているシェパードの前足の真ん中辺りに、思い切りナイフを振り下ろした!!


人間の悲鳴にも似た甲高い鳴き声がすると同時に、門の外側に人間でいう肘から先がボトリと落ちた。

流石に怯んだシェパードを尻目に、俺はその前足を拾う――


血が出ていない…
一滴も、滲み出てもいない。


右前足を失ったにも関わらず、再び門にのし掛かり吠え始めたシェパードの首を切り落とすと、俺は店に帰った。


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